ブランディングを進める上でやることはたくさんあります。そのため、段階を踏んで着実に進めることが大切です。これからブランディングを始めるのであれば、まず、自社が置かれている状況を知ることから始めましょう。状況を知ることで、自社がどのような強みを発揮できるのか、どんな部分で世の中に貢献できるのか、アイデンティティが固まってきます。それを世の中に知ってもらうために言語化を行い、言語化したミッションやビジュアルイメージを、最終的にロゴなどの「形」に整えていくわけです。じゃあ、具体的に何をすればいいか?その助けになるツールが「フレームワーク」と呼ばれるものです。フレームワークには色々な種類があり、ブランディングの段階に応じて適切なフレームワークを選ぶことが大切です。今回は、自社の状況を知るために役立つフレームワーク「3C分析」を紹介します。
ブランディングのフレームワーク「3C分析」とは
フレームワークとは、「骨組み」や「枠組み」といった意味です。あらかじめ用意された枠組みに自社の状況や課題を当てはめていき、多角的に分析し、正確に答えを導き出していきます。 ブランディングをスタートする際によく使用されるのは「3C分析」です。3C分析を行うと、最終的に「自社の成功要因」を見つけることができます。まずは3C分析の結果を足がかりに、ブランディングを進めていくといいでしょう。
3つのCとは?
Customer:市場・顧客
まず行うといいのは、市場規模やターゲット層など「市場」と「顧客」の分析です。現状を知ることで、マーケットにおける自社の強み・弱みを評価できます。
市場規模はどれくらい?
市場規模がわかると、市場における自社のシェアから今後の売上高や利益を予測でき、どれくらい投資すべきかがわかります。例えば、市場規模が小さいのに広告宣伝費に費用をかけすぎると、コスト回収が難しくなりますよね。市場規模を意識したブランディングを行いましょう。
市場規模にどう変化している?
現在の需要を表面的に知るだけではなく、長期的に求められる商品なのか、時期により差があるのか、流行があるのかなど、これまでの変化やその背景要因を知ることで将来の需要を予測できます。
顧客は何を求めているの?
よい商品をつくっても、売れるとは限りません。今の時代、単に「売る」のではなく、顧客の気持ちを「満たす」ことや、価値を「提供する」意識が大切になっています。誰がどのような製品を購入するのか、何に利用するのかなど、顧客が商品を手に取る背景を知ることが大切です。
顧客はどれくらい購買力があり、どんな時に買うの?
ターゲットとする顧客が、その商品に対してどれくらいお金をかけたいと考えているのか?値段が安いほうがいいのか、値段が高くても条件を満たしていれば購入するのか?などを知ることで、ブランディングの方向性が変わります。
Competitor:競合
業界シェアが1位の会社など、競合他社について知っておきましょう。市場はつねに変化するものですが、その変化に対して競合他社はどのように対応しているのかを見ていきます。
競合にはどのような会社がある?
市場において売上げのありそうな会社、成長中の会社を知ることは、自社のブランディングを見直すにあたり大きな指針となります。従業員数や、顧客層やサービスの内容、アフターフォロー体制まで幅広い情報を集めましょう。自社が有利になるポジションを見つけやすくなります。
競合他社はどれくらいの売り上げ?
競合企業の売り上げを知ることで、自社の販売計画を見積もる際に、市場の現状に合う計画を立てることができます。
競合他社の成功を生んだ要因は?
周りを見ずに独自で頑張るだけでは、結果を出すまでに時間がかかります。シェアの大きい会社ほど、常に競合他社を調べ、その成功事例を自社に取り入れているものです。多くの事例を集め、活用できる部分を見つけましょう。
要因を売上につなげる仕組みとは?
売り上げを数字だけで知っても、その結果が出せた背景はわかりません。「なぜ?」「どのように?」を知ることで次のアクションを打つことができます。成功の要因・背景を知れば、どこにお金や手間をかけたらいいのか明確になります。
Company:自社
市場分析や競合分析をまとめて自社の戦略を検討。強みや弱みなど「自社の特徴」を書き出していき、分析につなげます。
自社の経営理念や戦略は?
自分が所属する会社は何のために事業を展開しているのか、企業としての方向性や判断軸を示し、社員一人一人が理解することで社内の意識が統一されます。社員は働く意義を実感しやすくなり、会社への貢献意欲の向上が期待できます。さらに経営理念を外部に向けて発信することで、企業の価値やブランドイメージが伝わりやすくなります。
自社の強みや弱み、提供できる価値は?
ブランディングをする上で、市場の現状や競合他社など外部要因を知ることは不可欠ですが、自社の内部環境を知ることも大切です。会社の規模に関係なく、どの会社にも強みと弱みがあります。中小企業であっても強みを活かし、伸ばしていくことで、顧客に価値を提供し市場で存在感を発揮できるのです。
自社が持っているリソースは?
リソースとは、商品やサービスを生み出す資源のこと。設備などお金で購入できるハード系と、お金では買えない「ヒト」や「情報・技術」などのソフト系に分けられます。競合が持っていないリソースがあれば、それだけで差別化になりますし、強みとなります。特にソフト系のリソースはすぐに手に入るものではなく、実になるまで時間がかかるため差別化につながりやすいです。しっかり把握しましょう。
自社のリソースを売上につなげるには?
自社のリソースを使って、どのような商品やサービスを生み出すことができるかを検討します。競合他社の取り組みや成功事例と照らし合わせて、自社であればどのような展開ができるか考えてみましょう。
3C分析のポイント
3C分析は手法こそシンプルであるものの、ただフレームにあてはめるだけでは効果的に活用することは難しいとされます。そこで、3C分析を行う際のポイントを挙げておきます。
自社の分析は客観性が必要
3C分析を行う際は、社員だけでなく、コンサルタントやコーチなど、経営やブランディングのことがわかる外部の専門家を入れましょう。なぜなら、社員のみで行うと「先入観」があるために、客観性を保ちにくいからです。例えば、自分たちの感覚では当たり前すぎて強みとは思えないことが、他者から見れば大きな強み、なんてことはよくあります。せっかくの強みを見落としてしまうなんてもったいないですよね。私たちG Y Mはお客様のブランディングのお手伝いをしていますが、自社のブランディングに関しては、ブランディングやマーケティングに詳しい外部の専門家と一緒に行いました。外から風を入れると、ちょっとした会話から色んなことを思いつき、考えがまとまるものです。自社と同じ方向を向き的確なアドバイスをくれる伴走者の存在は、3C分析およびブランディングを進める重要なポイントです。
決裁権を持つ人をメンバーに加える
ブランディングを行うチームをつくるなら、会社のトップやプロジェクトの代表者など、決裁権を持つ人が必ずいるようにしてください。その場で決断できないと、ブランディングの作業が滞る原因になります。市場の状況はどんどん変わっていますので、やることをきっちりやりつつ、スピード感も大切にしていきましょう。
情報収集は迅速かつ正確に
3C分析では、市場(顧客)・競合・自社の3つについて情報を収集します。いずれの情報も分析に欠かせない要素なので、まずは情報収集をしっかり行いましょう。とはいえ、情報が多ければいいわけではなく、信頼できる情報かどうかの見極めが大切です。特に自社以外の、市場や他社情報など外部の情報は、情報源を確かめた上で利用します。ただし、時間をかけすぎないこと。市場の動向や顧客ニーズは常に変化するものなので、分析に使用する情報の鮮度は重要です。
ブランディングでお困りの方、相談したい方は
私たちGYMはクライアントのブランディング活動のためにWebサイト制作や映像制作をはじめ、各種クリエイティブを手がけています。経営における課題から今後の展望まで、お客様からきめ細やかにヒアリングをした上で、御社と一緒に走らせていただきます。客観的な視点から新たな魅力を引き出すブランディングを目指します。質問やご相談がありましたらお気軽にお問い合わせください。